眼瞼下垂手術における座位および仰臥位における手術中の眼瞼高の測定値適中率の評価
今月は、眼瞼下垂の手術に関する話題をご紹介いたします。
今月ご紹介する論文では、両側性腱膜性眼瞼下垂の15人の患者の中の30枚の眼瞼を対象に、測定機を用いて、手術前、手術中、手術後6週間後の座位(※1)の患者の眼窩高及び、手術中の仰臥位(※2)の患者の眼瞼高が測定され、その結果が統計的に分析されています。
結果は、以下の通りでした。
(1)手術中の座位で測定した値の平均値は、手術中の仰臥位で測定した値の平均値より著しく低かった。
(2)手術後6週間後に測定した値の平均値(右:3.80mm 左:3.63mm)は、座位の値では、手術時の値とは大きく異なっていなかったが、仰臥位の値では、手術時の値より著しく低かった。
(3)3つのグループ(手術時仰臥位、手術時座位、手術後座位)中に大幅な左右差はなかった。
以上のことから、座位で手術中に測定された眼瞼高は、仰臥位で手術中に測定された値より手術後の眼瞼高とより近い値であったと結論づけています。
この研究成果は、その後の手術の精度をより高くすることに役だっています。
※1:座った姿勢のこと
※2:仰向けになった姿勢のこと
引用文献:Ophthal Plast Reconstr Surg. 2007 Mar-Apr;23(2):119-21.