菅内閣の船出
米軍普天間飛行場移設問題と政治とカネをめぐる問題の責任をとるような形での鳩山首相の突然の辞任を受けて、6月8日、菅内閣は発足しました。菅直人新首相は、就任の記者会見で、「政治の役割は最小不幸社会をつくることにあり、強い経済、強い財政、強い社会保障を実現したい。財政を立て直すことが経済成長の必須要件だ」と語り、財政再建を優先的に行うことを表明しました。新聞紙上では、これで消費税の増税議論に拍車がかかるとしています。
菅内閣の発足にあたってのマスコミの話題は、何と言っても「脱小沢」がどこまでいくかという点でした。枝野幹事長などの民主党の役員人事や新任となった閣僚の顔ぶれをみると、これまで小沢批判をしてきた民主党議員が抜擢されているようです。しかし、「脱小沢」に焦点をしぼることは問題があります。
菅内閣は、鳩山前首相や小沢幹事長の政治とカネの問題の追及には、および腰のようです。また、米軍普天間飛行場移設問題でもこれまでの日米合意に基づいてすすめていくとしており、沖縄県民の県外、国外移設という強い願いを実現しようとするものではありません。こうした点の今後の推移を見ていくことが必要です。
就任の会見で表明した財政再建を優先して実現しようとすれば、増税路線か支出削減ということになります。増税路線であれば、消費税の増税ではなく、大企業への適正な増税が望まれます。支出削減ということになれば、小泉内閣がかつて国民に痛みを強いた構造改革ではなく、無駄な公共事業や補助金の削減に取り込んでほしいと思います。そうすれば、国民が望む「最小不幸社会」に近づくのではないでしょうか。(M)
追記:当院院長は適正で段階的な消費税率のupについて賛成しており、この点(M)氏と意見を異にするものです。たださらなる無駄な公共事業や補助金の削減をはかる必要があり今だ手のつけられていない国家公務員の定数削減も必要であると思っております。