協会けんぽ保険料の大幅値上げ

協会けんぽ(前の政府管掌健康保険)の保険料が3月分から大幅に値上げとなります。賃金がなかなか上がらない中、保険料が上がれば、実質賃金が低下し、消費が萎縮することになり、さらに不況に拍車がかかるのではないかと心配です。

 大幅値上げと書きましたが、どの程度の値上げなのでしょうか。協会けんぽは昨年9月から県別の保険料となりました。山形県の場合は、3月分から標準報酬の8.18%から9.30%となります。10%以上の大幅値上げです。40歳以上から徴収される介護保険料も1.19%から1.50%に値上げとなります。

 それでは金額ではどの位なのでしょうか。例えば標準報酬月額30万円ならば、いままで14,055円だったものが、16,200円となるわけです。月2,145円の値上げです。年間にすれば25,740円です。これに、ボーナス時の保険料値上げ分が加わります。いまどき、月2万円以上の賃上げなど望めませんから実質的な賃金低下となるわけです。

 以上は、労働者だけの負担の話ですが、事業主も労働者一人当たり同じ金額の負担増となります。これでは経営圧迫につながり、倒産も増えてくる可能性もあります。

 この値上げの背景は何かというと、不況の影響により、中小企業で働く方々の賃金が下がり、これに伴い保険料収入は大きく落ち込んだことが一因としてあげられています。賃金の低下 → 保険料収入の減少 → 実質賃金の低下 → 消費の冷え込み → 不況 → 賃金の低下という図式です。鳩山さん、国民の期待を裏切らないよう雇用・景気対策に邁進してください。(M)