やっぱり廃止しかない

やっぱり廃止しかないのは、後期高齢者医療制度です。民主党のマニフェストには、「後期高齢者医療制度は廃止」とはっきり書いてあります。ところが、最近、次の制度に移行するまでは廃止しないとなってきました。次の制度はいつできるのかわかりません。つまり、後期高齢者医療制度は当面存続することだけがはっきりしたのです。

 小泉内閣時代に法案が成立し、平成19年4月に創設された後期高齢者医療制度は、多くの問題をかかえた制度です。そもそも年齢で区別するという世界にも例を見ないこの制度が生まれたのは、高齢者の医療費を抑制するという目的のためでした。そのために、高齢者に医療費上昇の「痛み」を体感してもらい、医療機関への受診を手控えてもらう仕組みが導入されました。収入の少ない方も含めすべての加入者から保険料を徴収する、2年毎に保険料を値上げする、年金から保険料を天引きする、保険料を納めない高齢者は窓口で医療費全額を払ってもらう、受けられる医療も制限や差別をする、入院期間が90日を超えると退院せざるを得なくする、延命治療を抑制するなど、ここまでやるかという制度内容でした。

 この医療制度は、発足後、国民の激しい批判にさらされます。そのために当時の自公政権は、保険料の減額を実施したり、保険料の口座振替も認めるというような手直しをせざるをえませんでした。あまりにも評判が悪いので、「長寿医療制度」という呼び名に変更もされました。当時の4野党(民主・共産・社民・国民新)共同で後期高齢者廃止法案も国会に提出され、参議院を通過していました。

 鳩山政権は、こうした後期高齢者医療制度を当面残そうとしているのです。4年間で廃止できるかもわかりません。やっぱり「すぐ」廃止すべきです。(M)