「義」とは?

NHK大河ドラマの「天地人」も終盤を迎えています。米沢の観光地は大変な人出だそうです。上杉景勝や直江兼続の掲げた「義」の思想が共感を呼んでいるのでしょう。このドラマにでてくる石田光成も共感を呼んでいるということです。敗者となりましたが、豊臣政権の擁護を掲げて徳川家康にたたかいを挑んだ生き方が評価されています。

 さて、「義」とは何でしょうか?
 儒教では、「義」とは正しい行いを守ることであり、人間の欲望を追及する「利」と対立する概念だということです。戦国時代にあって、損得ではなく、正しいと思うことを貫くことは、時として生死の問題となることは、現代人でも容易に察しがつくことです。そういう時代に「義」を貫いたことに対する共感がブームとなっているのでしょう。

 「義」を大切にしなければならないのは、何も戦国時代に限ったことではありません。現代においても、正しい行いが必要なことは言うまでもありません。しかし、直接的な生死の問題はないとしても、「お金」(利)の価値が非常に高い位置を占めている現代において、「義」を貫くことは、戦国時代以上に難しくなっています。また、人間関係や社会状況も複雑になっており、何が「義」であるのかも、なかなか解りにくくなっています。

 いずれにしても、戦国のドラマを通して、自分の生き方をみつめて見る絶好の機会だと思います。(M)