映画「おくりびと」
庄内地方を主なロケ地とする「おくりびと」がアカデミー賞「外国語映画賞」を受賞しました。日本映画では初めての快挙です。
この映画は、失業したチェロ奏者の大悟(本木雅弘)が故郷の山形に帰り、納棺の仕事を通して、人生を見つめ、成長していく様子を描いています。
この映画のひとつの見所は、主人公大悟が納棺師見習として、さまざまな人生の終焉に立会い、死とは何かを考えさせるところです。ニューハーフやバイク事故での死、若い妻の死、孤独死や家族にみとめられた大往生もあり、そして友人の母親の死、自分の父親の死に遭遇します。死とは何かを考えるということは、同時にそれまでの人生について考えることになります。
もうひとつの見所は、大悟をめぐる人間関係です。妻の美香(広末涼子)には、納棺の仕事だと言うことができず、うそをついてしまいます。しかし、しだいに美香の理解を得る過程は心に響きます。美香は最後には、「夫は納棺師です」と胸をはります。納棺の会社社長(山崎努)や事務(余貴美子)、友人の母親(吉行和子)、火葬場の職員(笹野高史)などとの交流は、大悟を成長させるうえで重要な役割を果たします。
今、この映画のロケ地が大変な脚光を浴びています。遊佐町、酒田市、庄内町、三川町、鶴岡市などの庄内地方はもちろん上山市もロケ地となっています。映画の鑑賞とロケ地めぐりをおすすめします。(M)