定額給付金の迷走

10月30日の麻生首相の記者会見では、家計緊急支援のために「総額2兆円の生活支援定額給付金を4人家族で6万円稠度を本年度中に支給する」というものでした。

 しかし、この後、この「定額給付金」は迷走します。生活支援が目的ならば高額所得者には給付する必要がないのではという意見が出始めたのです。でも、このような厳格な所得制限を設ければ新たな法整備が必要になり、準備作業量が増えて年度内支給は難しくなります。

 そこで、「高額所得者は自主的に断念してもらいたい」などさんざんな議論のあげく最後に合意されたのは、所得制限を設けるかは市町村におまかせするというものでした。これには下駄を預けられた市町村も困惑しているいいます。

 そもそも受け取る国民も迷惑しています。麻生首相の記者会見では、同時に「経済状況を見た上で、3年後に消費税の引き上げをする」というのも公表されたからです。1回の給付金で一生消費税の増税とつきあわされたのではたまりません。ある世論調査では58%が「評価しない」と回答したそうです。

 この定額給付金は、明白な選挙対策。現金を国民にやるから票をくれというわけです。

 今回の定額給付金にかかるお金は2兆円とか言います。そのお金で後期高齢者医療の窓口負担(1.1兆円)をゼロにしても、たっぷりおつりがくるそうです。こんなお金があるなら福祉や医療に使ってほしいというのが国民の声です。こちらの方がよほど選挙対策になると思うのですが、違いますか麻生さん?(M)