新首相と総選挙

9月1日の福田前首相の突然の辞意によって、始まった自民党の総裁選挙。色とりどりの5人の候補者がでて、お祭りさわぎにしたかった自民党の思惑とは反対に国民の関心は薄く、本命の麻生氏が自民党総裁となり首相に選出されました。

しかし、こうした間にも、国民生活を揺るがすような大事件が起きていました。輸入された事故米が本来使ってはならない食用として使われ、酒や焼酎にはじまりコンビニのおにぎりや学校給食にまで使われていました。アメリカの巨大な証券会社や生命保険会社が倒産し、その余波は、株価の急落など日本の景気にも及んでいます。原油の高騰はそのままで、流通、漁業、農業などに深刻な影響を与え続けています。そして、高齢者だけを対象とした後期高齢者医療制度はそのままで、年金からの保険料天引きが続いています。さらに、「消えた年金問題」では、社会保険事務所が自分たちの都合のために、組職ぐるみで厚生年金の標準報酬を改ざんしていたことが明らかとなりました。

どれをとっても、国民生活にかかわる重大問題であり、それぞれの対策が早急に必要なことはいうまでもありません。政治に1日の空白も許されるものではありません。そのために内閣があると言ってもいいでしょう。

ところが、驚いたことに、自分たちの都合で空白を作っておきながら、今度は、自分たちに一番都合のよい時期に総選挙を行おうとしています。なるべく早い方が麻生新首相の人気にあやかれると思っているわけです。

もう、自分の都合で政治を左右するようなことはやめてもらいたい。自分たちのために政治があるのではなく国民のために政治があるのです。(M)