年金不信の増大

先日、5,095万件もの誰のものかわからない公的年金の存在が明らかとなりました。驚くべき数字です。

 現在は、20歳になると基礎年金番号が記載された年金手帳が送られてきます。しかし、以前、基礎年金番号はありませんでした。基礎年金番号が符番されたのは、平成9年1月でした。そして例えば会社(厚生年金加入)を辞めて、しばらく雇用保険の給付を受けて国民年金に加入し、再就職(再び厚生年金)したとすると2つか3つの年金番号が付いてしまいます。そうすると同じ人の年金であるかどうか解らなくなるので、これを同じ番号(基礎年金番号)で管理しようということになりました。

 統合前に申し出があった方が916万人おり、また名寄せ(氏名の読み、性別、生年月日)で判明した方902万人には照合を行い、現在統合処理中だといいます。それでも5000万件がまだ未統合だと言うのです。申し出のない方や氏名を変更された方などは残ったままということになります。いったい社会保険庁は、なにをやっていたのでしょうか。平成9年からすでに10年が経過しているのです。統合する努力を大々的にやってきたとはどうみても思えません。

 これでは、年金不信がますます増大し、国民年金の未納者が増えかねません。苦労してかけた年金保険料が無駄になるということがないように全力をつくしてもらいたいものです。(M)