勤務医の労働実態
先月は産婦人科医の不足について触れましたが、最近の病院の医師不足も深刻で、勤務医の労働時間にも大きな影響を与えているようです。
このほど、25都道府県の150施設で働く1036人の勤務医からのアンケート結果が発表されました。まとめたのは医療労働者の労働組合です。
それによると、1日の労働時間では、12時間以上が半数近くを占め、月の時間外労働の平均は63時間でした。過労死ラインは、月80時間(時間外)と言われていますから、それに近づいているわけです。休日にいたっては、月平均3.3日となっており、回答者の27%はまったく休みがありませんでした。増えつつある女性医師の場合、6割近くが妊娠時の異常を経験していました。
さらに、「健康不安・病気がち」の状態にある医師は4割以上にのぼり、9割超が「疲労を感じる」と回答。「職場をやめたい」と考えている医師は過半数に達しています。
健康を守るべき医師が過労死にさらされている実態は異常としか言いようがありません。こうした実態を引き起こしている原因のひとつは医師の偏在です。(M)