リハビリの日数制限
今年の4月からリハビリを受けられる日数の上限が決められたのをご存知ですか。例えば、脳血管疾患(脳梗塞など)のリハビリは最高180日、運動器(上・下肢の外傷など)のリハビリは最高150日、呼吸器(肺炎など)のリハビリは最高90日、心臓や大血管疾患(心筋梗塞など)のリハビリは最高150日までという具合です。適用が除外される場合がありますが、原則的には、この日数を過ぎるとリハビリは打ち切りになってしまうというものです。これ以上リハビリを続けても効果が明らかでないという理由だそうです。
この決定は、患者や理学療法士などの関係者が唖然とする内容でした。それは、このような日数を超えるリハビリを必要としている患者がたくさんいたからです。リハビリの大切さは言うまでもありません。病気やけがによって失われた人間としての機能を回復するために、なくてはならないものです。リハビリを続けることによって、歩行などの機能を回復し、維持することができるのです。リハビリは、患者と専門家の共同作業であり、患者の状態によって変化するものであり、一律に何日必要などと決められるものではありません。
「寝たきりゼロ作戦」「自立自助」などのスローガンは、政府や厚生労働省が使っていた言葉です。リハビリは、寝たきりを防ぎ、自立するために必要な医療です。いつから、政府や厚生労働省は、寝たきりを増やし、自立を阻む立場に立ったのでしょうか?
(M)