フリーターと結婚

書店で興味深い本を見つけました。三浦展(あつし)さんが書いた「下流社会」という本です。この本によれば、これまで多くの日本人の階層意識であった「中流」意識がくずれ、若い男性を中心に「下流」意識(中の下の下)が広がり、階層格差が広がっているといいます。

 確かに若い世代には、正社員にはなれず非正規社員の職にしかつけないという問題が起こっています。こうした200万人を超えるフリーターが、この「中流」から「下流」へという意識変化の中心になっているのです。フリーターの所得は100万円をわずかに超えるくらいですから。

 そして、三浦さんたちの調査によれば、男性の所得と既婚率との相関関係を調べてみると興味深い結果になったというのです。1,000万円以上の所得のある男性は100%、700万円以上は90%、500万円以上78%、300万円以上は33%、150万円以上は8%、150万円未満は0%だったというのです。

 ここから「フリーターは、所得が低く結婚できないでいる」という現実がみえてくるのです。社会問題になっている少子化の原因がここにもあったのです。

(M)