JR西日本脱線事故と医療

6月19日にJR福知山線が運転再開したというニュースが流れました。107名の方が不帰の人になるという脱線事故が起こったのは連休前の4月25日でした。

 やはり、この事故では、「安全」ということを新ためて考えさせられました。日常的には「安全」というのは、空気のような存在であっても、それをもたらすための日常的な努力が必要なのだということです。そして、過剰な「儲け」を追求することが、しばしば「安全」を犠牲にしがちだということです。過密なダイヤが組まれ、その過密ダイヤに遅れることが運転手の罰則の対象になっていました。また新型の安全装置の設置を意図的に遅らせたりしていました。こうしたことが、今回の事故後に明らかとなったのです。

 医療ミスがしばしば報道されていますが、医療でも同じようなことが言えます。医療ミスをなくす取り組みが医療界で始まっていますが、関係者の「安全」を維持するための日常的な努力と医療機関で実施する「安全」対策への手厚い評価があってこそ成功するのだと思っています。

 また、規制緩和というお題目のもと、医療機関を「儲け」の対象とする動き(医療機関への株式会社の参入解禁など)も強まっていることは、「安全」優先に逆行する動きというべきでしょう。

(M)