眼瞼下垂について(2)

眼瞼下垂の第2回です。第1回に続いて後天性下垂の話を書きます。その前に前回の復習です。

 先天性下垂の人は、不思議と小さい時の写真がない(または少ない)人が多いようです。それはご両親が下垂のあるような子の写真は残したくないと思っていたためでしょう。なお本人は意外と気にしていないため、他の人の撮った写真に写っていることもあります。診断には小さい時の写真が必要ですから、お持ちの方は必ずご持参下さい。またご両親には何の責任もないのですから、親御さんを恨んではいけません。また、遺伝するものでもありませんが、ごく稀に兄弟が何人も下垂だとか、父親、母親の兄弟に下垂の人が何人もいる場合があり、この場合は下垂が遺伝していると考えられます。

 先天性下垂は妊娠中、赤ちゃんに何らかの発育異常が発生したと思われますが、下垂かどうかは生まれるまでは判りません。普通、生まれた後でなかなか片目が開かなかったということが多いのですが、なかなか開かなくても何でもない児もたくさんいます。

 これに対して、生まれた時は何ともなくとも大きくなってから(年をとってからとか、長い間マスカラを使っていたとか、長い間ハードコンタクトレンズを使っていたとか、まぶたが腫れることがよくあったとか(この場合、原因がはっきりしている場合と、原因不明の場合とあります)、また白内障、緑内障、網膜剥離など、目の大きな手術を受けた後に下垂することもあります。そのほか、何回も妊娠したとかケガをした後でとか、いろいろありますが、神経に関係あるものの話はここでは省略します。

 ここでお話したいことは、後天性下垂といえば大部分が加齢(老化)によるもの、すなわち加齢性下垂だということです。その時の特徴的所見は、

(1)まぶたが下垂している(この場合は良い方のまぶたと比較するとよく判ります。そして上を見た時も下を見た時も、もう一方のまぶたより下がっています)
(2)下がっている方のまぶたが全体的に皮膚が薄い感じがします
(3)「ふたえ」の人であれば、巾が広くなり、
(4)眉毛の下が強く凹んでいます
(5)まぶたの皮膚がダブダブになってくる人もいます
(6)下垂している方のまぶたを指で持ち上げると、反対のまぶたが下がってくることがあります。下を見させると悪い方のまぶたが余計に下がります。上方視と下方視させた時のまぶたの移動距離は、普通13mmくらいありますが、後天性下垂でもそのくらいあります。

 最近、韓国のノムヒョン大統領もまぶたの手術をしましたが、あの方は後天性下垂の一種で皮膚だけが垂れてきて眼瞼下垂になったのです。それを直すために余分な皮膚を切除し、ついでにふたえにして直したものと思われます。このような例も一種の後天性眼瞼下垂です。

 後天性下垂は普通、50〜60歳代から徐々になる人が多いので、20〜30歳代の若い写真を見れば何でもないので、一目でわかります。この場合も古い写真を持って初診されることをお勧めします。

 今までにごくごく稀なケースですが、写真が修正してあったり、裏表逆に現像してあって、悪い方の目を間違えそうになったことがあります。

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