混合診療の行方

前月にも話題にした「混合診療」ですが、政府の方向性が明確になったようです。厚生労働省の方向性は、混合診療(公的な医療保険での治療と保険外での治療の組み合わせ)の全面解禁とまではいかなかったものの部分解禁というものです。

 混合診療の部分解禁とは、これまで特定療養費として認められていた高度先進医療や差額ベッドなど選定医療に加え、(1)国内未承認薬、(2)高度先進医療以外の医療技術、(3)制限回数を超えている医療行為などを混合診療として認めるというものです。

 しかし、(1)国内未承認薬、(2)高度先進医療以外の医療技術は、本来、すみやかに公的な医療保険が適用されるべきだったものもあり、保険適用がされてこなかったのは主に財政的な理由によるものです。これらが混合診療となれば、なかなか保険適用がなされないことになります。

 また、(3)の制限回数を超えている医療行為は、もともと保険が適用されていたものが最近になって除外されたものです。これでは、現在、保険適用されているもの(例えば風邪などの軽度医療や市販類似医薬品)が、いつ混合診療に移行するかわかりません。

 混合診療の部分解禁は、現行制度の中で対応できるものについては、今年の夏までに実施する方針です。今後の政府の対応を注視していきたいものです。

(M)