コンタクトと今回の薬事法改正

眼科医もコンタクトを商売するからには、最近「日本の眼科」に載った以下の投書に注目すべきである。

 『薬事法改正までもう1年を切った。医療器具だったコンタクトレンズ(以下CL)が「高度管理医療機器クラス?」に分類されたのだが、眼科医に販売管理者の設置など販売面の強化だけを求められることが、理解できない。人工呼吸器や人工骨、人工関節などと同じクラス?であるから、CL処方箋(指示書)が無ければ販売できないなどと、眼科医以外の者に厳しく医療の網があってしかるべきだと思う。
 医療法の絡みから診療所とCL販売所は完全に区切ることが徹底されるようであるが、それによって構造設備が不十分な場合、許可が得られず、CLを扱えない眼科も出てくるだろう。しかし私たちは、患者さんから離れるわけにはいかない。お役所に弾力的運用をして貰いたいと思うし、場合によっては、お役所の指導も覚悟して、現状追認の強行手段に出なければならないかも知れない。
 そもそも日本眼科医会執行部は改正薬事法に対し、「地道にコンタクトレンズ障害アンケートをとり、その結果厚生労働省を動かしてCLを高度管理医療機器に格上げすることができた」と説明してきた。またそのために「量販店などは駆逐できる」とも言ってきた。
 その後の経過に関して執行部からの説明はない。いまさら言うのも手遅れという感じがするが、執行部は日本眼科医会の会員に薬事法改正での「最初の認識にズレのあったこと」、つまり「改正薬事法は量販店を駆逐できる」と言っていたことや、「眼科医は今までと変わらずCLを販売できる」などといったのは誤っていたと会員に謝罪があってしかるべきなのではないだろうか。
  そうした後にはじめて、執行部が今後CL問題に対し、会員と共に「広告の撤廃」や「対面販売の義務化」、「医師(眼科専門医)の処方」などの次のステップに進んでいけるのではないだろうか。』(判りやすいように一部書き換えてあります。)

 この投書の主(眼科医)は今度こそCL量販店は駆逐できると思っていたが、薬事法改正は諸刃の刃で眼科診療所にもいろいろ「しばり」が出てくることが判って憤慨しておられる様子が読み取れる。
 これが掲載されているのは「眼科医会の会報」であるが、もしこの投書が全国紙に載ったらどうであろうか。まずこのことを考えてみなければならない。おそらく大部分の国民は眼科医にも色々規制がしかれるのは当然で、多少違法なことをやるかも知れないというのを恫喝と感じるかも知れない。一方、眼科医がこの投書の主に異議を唱えれば仲間から「惻隠の情のない奴だ」といって非難を受けるかも知れない。厚生労働省もCL販売店だけに厳しくあたって、眼科診療所に甘い扱いをすれば、それは片手落ちだといって国民に非難されるのを知ってのことであろう。執行部および会長がだんまりを決め込んでいるのは、このようなことになってにっちもさっちも行かなくなったからであろう。ここは「国民の健康な目を守る」という本来の目的を見失わないようにすることが第一である。
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