治らない?治る? 意外と難病の眼瞼けいれんと片側顔面けいれん

今月は両側眼瞼けいれん片側顔面けいれんについてお話します。
 まず両側眼瞼けいれんですが、これは目のまわりがピクピクしたり、変にまばたきするのを他人に指摘されたり、自分でなんとなく気付いたりすることから始まります。こんなことが起きたり、起こらなかったりしながら半年、一年とだんだんひどくなってきます。その頃になると、自分でも止めようと努力するのですが止めることが出来ないばかりか、ますますひどくなって目が開けられなくなるようで気がもめるようになります。必ず両側に現れてくるのが特徴で、40~50歳代の女性に多発します。(男性:女性は1:2位)中には、ほほや口角のけいれんも伴うメイジュ症候群に進行するのもありこれは難治です。眼瞼けいれんの原因は全く不明ですが、精神的なストレスを受けやすい人や、まじめな人が発症しやすいようです。
 これに対して片側顔面けいれんの方は、片方の目の周りがピクピクすることから始まり次第にほほ、口、あごなどに不自然な動きが広がっていきます。片目が余計に閉じて片目だけの眼瞼けいれんのように見えることもあります。40~70代の中高年齢層が多く、全体的にみると男性対女性は、大体同じ位か、少し女性が多いかもしれません。

治療について
 いろいろな治療法がありますが、現在最も有効とされているものがボトックスの局所注射です。始め少量から始めて効かなければ増量します。この治療はどこの医療機関でも出来るものではなく、山形県では井出眼科病院が認定を受けてボトックス治療を行っております。詳しいことは023(641)3111井出眼科病院の総婦長 池田までお問い合わせ下さい。
眼瞼けいれん・片側顔面けいれんによく似た病気には眼瞼下垂、開瞼失行、ヒステリー、てんかん、パーキンソン病、顔面チックなど、沢山あります。まず、筋電図の検査をすることが必要です。場合によっては内服治療、手術を併用する事もありますし、精神科の治療が優先されることもあります。