白内障手術と角膜内皮細胞数減少について
角膜は厚さ約1mmの硬い透明な眼球壁です。真中を光が通っていきます。角膜の一番裏側に内皮細胞層という一層の薄い膜があってそこでは一平方ミリに約3200個の細胞が敷石を敷き詰めたようにぴっしり並んでいます。この細胞は生涯自分で増殖や再生をすることが出来ないので死ぬまで減少する一方です。しかし生きている間は細胞数が足りなくなってしまうことはありません。それでもこの細胞は白内障のような目の中をいじる手術をしたり、角膜を強く傷つけたり、定期検査も受けずに不養生に20年30年とコンタクトを装用していたりするとはるかに急激に減少します。
年令が若くまた白内障の手術もしていないのに1500ぐらいに減ったら将来のことを考えてコンタクトはやめてメガネにしたほうがよいでしょう。
白内障の上手な眼科医でしたら1200ぐらいに減っても手術することが出来ます。
もし白内障の手術だけして、何か特別な理由で眼内レンズを入れなかったためコンタクトを使っている人は細胞数が1200以下になる前に眼内レンズの二次挿入を受けられるとよいでしょう。
また二次挿入手術の時期を逸して細胞数が700以下になってしまった人でしかも残りの片目の見えない人、その上メガネで視力が出ない人はコンタクトの装用を継続せざるを得ません、ただ最悪の場合は角膜移植も必要になることを覚悟していて下さい。